こんにちは、院長の朴です。
一昨日、当院では会陰ヘルニアの手術を行いました。
会陰ヘルニア??
あんまり聞きなれない言葉ですよね。
ヘルニアとは
「体内の臓器などが、本来あるべき部位から〔脱出・突出〕した状態を指す」そうです。
つまり、皆さんの良く知る椎間板ヘルニアですが
これは、背骨と背骨の間にある椎間板というクッションが脊髄の方向へ飛び出してしまう事を言うのですね。
犬の、特に雄でよく認められるのが、お腹の臓器がお尻に飛び出してしまう会陰ヘルニアです。
これはダックスフントやウェルシュコーギー、トイプードル、マルチーズ、パピヨン等でよく認めます。
お腹のどんな臓器が飛び出すかによって症状は様々です。
一般的な症状として、結腸が広がったり曲がってしまうことで排便困難を伴ったり
膀胱が飛び出すことで排尿困難を伴うことが多いです。
どちらも体内の排泄という、超重要な仕事を担っていますから
会陰ヘルニアが、いかに体にとって悪い病気か思い知らされます。
治療としては、内科ではなく積極的な外科療法が選択されます。
体内の筋肉や靭帯を使って穴を塞ぎにかかります。
この病気は再発率も高い病気なので、手術前にどのような手術をするか
念入りに考える必要があります。
原因としてはまだまだ分からない事が多いのですが
遺伝性、去勢していない事、断尾している事などが考えられています。
しかし、やはり現時点では明確に分かっていないのが本当のところです。
会陰ヘルニア
あれって思った時には、すぐに病院を受診してくださいね。