2016年3月
こんにちは。ピースワンコ診療所獣医師の藤原です。早いもので今年ももう3ヶ月経ちました。神石高原も少しずつ春の気配はするものの、朝晩はまだ氷点下。前回は「例年より寒くないらしい」と書きましたが、全くそんなことありません。一月下旬に大寒波が来て(全国的にも寒かったそうですが)、-10℃まで冷え込み、自宅の風呂の水道栓が凍って壊れてしまいました。近所の奥さんがお嫁に来た40年前以来の-10℃だったそうで、風呂が直るまでの三日間は町内の日帰り入浴施設に通ったのですが、今まで自宅でも湯船に浸かることはなかったので、良いリフレッシュになりました。
さて、今年6月で殺処分ゼロ1000日計画の期限が迫り、第三犬舎を増設することはvol.4でもお伝えしたが、順調に建築が進み4月から順に完成予定となります。

そこで、先日お天気の良い休日にさくらの散歩ついでに、建設中の犬舎を見に行きました。場所は同じ神石高原町ですが、自宅からは車で40分の山の中。元はオートキャンプ場だったそうで、200~300頭収容出来る犬舎群が出来る予定ですが、冬は積雪で工事もままならず、4棟あるうちのまだ1棟しか手が付けられていません。あとはまだ整地や木の伐採をしていました。このあいだは今のシェルター付近の倍くらいの積雪があったそうです。キャンプ場だっただけに、夏は冷房要らずの涼しさですが、冬は相当寒そう。寒すぎるとエアコン室外機が故障する危険があるので、こちらは床暖房になる予定。宿直室にはお風呂も完備です。家から遠くてあまり居心地が良いと、スタッフの誰かがそのまま住み着いてしまう危険性がありますね。
周辺には帝釈峡と神竜湖という観光地がありますが、こちらの犬舎には人馴れしていないワンコが入る予定なので、一般公開は出来ません。その人馴れしていないワンコたちをトレーニングするのが、この犬舎スタッフの大事な役割です。スタッフは近くの研修施設で勉強もします。講義で覚えたことは犬舎へ帰って即実践。犬も人も成長する犬舎になるといいですね。

しかし・・、県の愛護センターに収容されるワンコはすべて保護する計画なので、広島県の犬の殺処分は一時的にゼロになりますが、卒業が順調に行かないと今の犬舎は満員状態のまま。春からは月50頭くらいのペースでピースワンコに来ると試算していますが、そうすると数カ月で新しい犬舎もいっぱいになります。それでは殺処分は止め続けられないので、今後はシェルター建設だけでなく、譲渡活動を盛んにしていかなければ。と言うことで、神石高原でも譲渡センター*1も増設計画もあるそうです。
*1:現在は広島県マリーナホップ内・神奈川県湘南T-SITE内に譲渡センターを設置し、譲渡活動に力を入れております!
昨年末保護した仔犬は現在3ヶ月から6カ月。どんどん大きくなってきています。中には数頭お声がかかっている子もいて、成犬も含め、春に向けて卒業予定が結構ありますが、シェルターは現在どの部屋も満員なので、仔犬達はこのまま大きくなってしまう前に、早く卒業してもらわねば!!
今月末で、こちらに来てちょうど1年…。それなりに感慨深いですが、やる事がいろいろ増えて常に時間が足りない状態です。犬舎が増えワンコが増えるのは確実なので、切実に「誰か手伝って!!」です。4月からの不安を感じながら今回の投稿を終わります。
次は2月から卒業犬にマイクロチップを設置することについてお伝えをしたいと思います。