こんにちは。
腹腔鏡の避妊手術をするときは、肝臓や脾臓、腸、膀胱などカメラで確認できる臓器は、手術と関係なくても必ず確認をします。
先日、腹腔鏡で避妊手術をする際いざ肝臓をみてみると、下の写真のような状態の子がいました。
ちなみにこの子の手術前の血液検査・レントゲン検査では全く異常がありませんでした。
別の子の写真も載せますので、見比べてみてください。
↓ 今回の肝臓
↓ 別の子の肝臓
赤色の臓器が肝臓ですが、上の写真では白い斑点がたくさんあるのがお分かりでしょうか。
この子はご家族の方にご了承をいただいて肝臓組織生検(肝生検)をした結果、門脈低形成を強く疑う所見がありました。
門脈低形成を治すことは現在の医療では難しいですが、将来に備えて肝臓を保護していこうという準備ができるので見つかってよかったと思います。
開腹の避妊手術であればこんなにしっかりと肝臓を見ることはできないので、おそらく見逃されていたでしょう。
こういった異常を敏感に発見できることも、腹腔鏡手術のメリットですね。