ネブライザー療法

概要

ネブライザー療法とは・・ネブライザーを使用して薬剤や生理食塩水をエアロゾル化して経口及び経鼻的に上気道や下気道に到達させ局所的な治療を施します。 
自発呼吸があれば実施可能です。同時に酸素化や気道の加湿も可能となります。 

ネブライザー療法
上:自宅でネブライザー療法を行っている様子

期待される効果

加湿:粘液繊毛輸送機能の働きを助け、停滞して粘稠となった粘液を流動化し気道クリアランスを維持、改善を促進させます。

薬剤の局所投与:上気道や下気道の局所に薬剤を到達させ炎症や感染、喘息や慢性気管支炎などの気道閉塞疾患に治療効果が期待できます。 

効果が認められているもの(人)二次感染の予防(副鼻腔炎の外科術後)や気道感染リスクがある気管支拡張症や慢性気管支炎の長期的な管理に安全性と有効性のエビデンスがある。

メリット

基礎疾患の制限をカバー:抗菌薬(GMやCP)または、ステロイドを安全に投与できる 

  • 即効性がある
  • β2刺激薬の効果が継続
  • 内服での第一段階代謝を受けないため気道内での薬効効果が持続
  • 慢性呼吸疾患にも有効:全身性投与では治療に反応しない慢性呼吸疾患に適用 

適応疾患

  • 上気道疾患(鼻腔、咽頭、喉頭)や上気道の術後のケア 
    ※Nebulized Adrenaline in the PostoperativeManagement of Brachycephalic ObstructiveAirway Syndrome in a Pug 
  • 気道二次感染などに対する予防的使用・慢性呼吸器疾患の長期管理 

具体例

  • 感染性鼻炎、慢性鼻炎 
  • 猫のウイルス性上気道感染症 
  • 鼻腔や咽頭外科手術の周術期管理 
  • ケンネルコフ 
  • 左心不全のない慢性気管支炎、気管気管支軟化症、気管支拡張症 
  • (猫喘息、猫の慢性気管支炎、中程度までの細菌性気管支炎、慢性喉頭炎、急性喉頭炎) 

慢性呼吸器疾患のメンテナンスとして自宅で購入していただき使用してもらうこともあります。その際には症状に合った吸入薬を処方させていただきます。(貸出も行っております。)

呼吸器科について

呼吸器科担当スタッフ