Endoscopic surgery
内視鏡外科(腹腔鏡手術/胸腔鏡手術)
胸の中、お腹の中で手術を行う専門的な外科手術です。この手術の圧倒的なメリットはとにかく傷が小さく、動物に与えるダメージを最小限にしてくれること、肉眼よりも鮮明かつ精密な手術を可能とすることです。当院は、開業当初よりこの手術を専門的に行っており日帰り手術に力を入れています。不妊手術、膀胱結石、各種組織生検、停留精巣、胃固定、胆嚢、肝臓、副腎、腎臓、尿管、脾臓、リンパ節切除、鼠経ヘルニア、門脈シャント、骨盤外科、乳び胸、肺葉切除、縦隔、心膜切除まで、ありとあらゆる疾患に対して内視鏡手術を実施して参りました。積み上げた確かな実績があり、なるべく負担の少ない手術を常に模索し実施いたします。一般の飼い主様、動物病院関係者の方々含め、是非ご相談ください。

内視鏡外科の主な診療内容
主な腹腔鏡手術
腹腔鏡下卵巣摘出、腹腔鏡補助下卵巣子宮摘出
腹腔鏡下に不妊手術を実施します。将来の病気予防や、不妊を目的として実施されます。3-5mmの切開創2つで実施可能で、日帰り手術になります。
腹腔鏡下(補助下)停留精巣摘出
腹腔内に停留した精巣を取り除く手術です。3-5mmの切開創2つで手術を行うことができます。日帰り手術になります。
腹腔内、胸腔内組織生検
病気の原因を追究するために臓器を一部検査用に採取する事を生検と呼びます。検査のための手術であり、内視鏡下に最小限の切開創で実施いたします。おもに日帰り手術になります。多くは肝臓に対する生検が多いですが、胸腔内、腹腔内のすべての臓器に対して行う事ができます。
膀胱結石摘出
膀胱内の結石を取り除くために実施されます。当院では100例以上の実績があり、ほとんどが日帰り手術になります。8mm-15mmの切開創で手術が実施されます。内視鏡で手術を行うことで、傷が小さいだけでなく、結石の取り残しを予防することができます。
腹腔鏡下胃固定術
主に大型犬に対して適応となります。胃拡張胃捻転症候群という、発症すると致死率の高い緊急疾患を予防する目的で行われます。5mmの切開創3つで手術を実施可能であり、日帰りになります。不妊手術や、去勢手術と合わせて行われる事も多いです。
腹腔鏡下胆嚢摘出、胆嚢穿刺
犬猫の胆嚢疾患に対して適応となります。胆のう穿刺は胆汁を採取して組成と細菌感染の有無を調べる処置です。胆嚢摘出は胆石、胆嚢炎、胆嚢粘液嚢腫の治療のために実施され、5mmの傷が4つで実施いたします。動物の状況によりますが、日帰り手術もしくは1泊入院手術になることが多いです。
腹腔鏡下副腎摘出
犬や猫の副腎腫瘍に対して適応となります。副腎は後腹膜臓器といって、体の奥深くに位置する臓器ですが、腹腔鏡手術との相性がとっても良く、5mmの傷が3つもしくは4つで手術されます。副腎腫瘍は術後管理がとても大切であり、一泊入院して翌日術後の治療方針をご相談する運びとなります。
腹腔鏡下門脈体循環短絡血管結紮(門脈シャント)
犬や猫で先天性に発生する疾患です。生まれつき肝臓に向かう門脈という血管と静脈血管との間に本来存在しない短絡血管が出来ています。5mmの傷が3つ、10-15mmくらいの傷が一つで腹腔鏡下に短絡血管を結紮することができます。門脈シャントは術後管理が大切になりますので、入院期間については随時相談させていただいております。
腹腔鏡下腎臓尿管摘出、尿管移植術
腎臓の腫瘍や水腎症、尿管の疾患により、摘出や尿管の転位が必要な症例に対して実施されます。5mmの傷3つで腹腔鏡手術を実施することが可能です。転位術は膀胱、尿道腫瘍や、前立腺の腫瘍などが理由で尿管開口部の閉塞が生じた動物に緩和的に行われます。
腹腔鏡下リンパ節切除
主に腰下リンパ節群と呼ばれるリンパ節を切除します。他にも解剖学的に奥深い位置に存在するリンパ節に対して実施されます。腫瘍のステージングや治療を目的としています。5mmの傷が3つで実施されます。
腹腔鏡下肝葉切除術
腹腔鏡下に肝臓を切除することが可能です。主に腫瘍が適応となりますが犬猫の肝臓腫瘍は増大傾向を示すため、腹腔鏡手術が適応かどうかは腫瘍のサイズや位置が大切になります。担当医と念入りな相談が欠かせません。
腹腔鏡補助下消化管切開、切除術
胃切開や胃瘻チューブの設置、小腸切除や腸瘻チューブの設置、結腸切除や人工肛門の設置に対して、腹腔鏡を効果的に活用いたします。
腹腔鏡下骨盤内臓器手術
膀胱や前立腺、尿道、結腸、直腸に対して腹腔鏡下に手術を行います。
前立腺疾患や直腸疾患に対して実績があり、骨盤腔内に対して腹腔鏡下にアプローチします。適応については様々でありご相談ください。骨盤を切開する手術と比べ体の負担を軽減することができます。
主な胸腔鏡手術
胸腔鏡下(補助下)肺葉切除
肺葉切除、肺葉部分切除に対して適応されます。開胸術は重度の疼痛を伴う手術として知られ、痛みにより術後の呼吸が不安定となることがあります。胸腔鏡で手術することで麻酔覚醒後の良好な呼吸管理が期待されます。
胸腔鏡下心膜切除
心臓を包んでいる心膜を胸腔鏡下に切除する手術です。心タンポナーデという心膜腔に液体が溜まることで心臓が拡張できず、閉塞性ショックを引き起こす緊急疾患に対する治療となります。また心膜疾患を診断する目的でも実施されます。
胸腔鏡下胸管結紮
日本では柴犬が好発犬種として知られる難治性疾患、乳び胸の治療のための手術になります。胸管と呼ばれる乳びが流れているリンパ管を胸腔内で結紮します。特筆すべきこととして開胸手術よりも胸腔鏡で手術した方が成績良好であると判明しています。内視鏡手術が傷が小さいだけではなく、治療成績も向上させるため積極的に実施されるべき手術です。
胸腔鏡下前縦隔腫物切除
胸腔内の前縦隔と呼ばれる部位にリンパ節や胸腺腫と呼ばれるような腫瘍が出来ることがあります。これを胸腔鏡でアプローチし、切除することが可能です。適応については術前診断に基づき、腫瘍のサイズや位置を考慮して決定されます。
胸腔鏡下胸腔内探査、組織生検
原因不明の胸水が溜まる症例について、胸腔内を内視鏡で探査し、胸膜など必要な臓器を生検します。胸腔内を見渡すのに開胸術は大きな切開を必要とされますが、内視鏡では5mmの穴でアプローチすることが可能です。
内視鏡外科の症例紹介
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